まっ白な朝

 朝、窓を開けると外はまっ白でした。

 久しぶりの濃霧です。
 私は、小学生の頃から霧の日が好きでした。当時は団地の5階に住んでおり、目の前には私立高校のグラウンドがありました。
 そのため普段は見晴らしがとてもいいのですが、濃い霧がかかると、目の前の広いグラウンドがすっぽりと白いベールに包まれて、何も見えなくなってしまいます。私はその白い壁の向こうに、何かが隠れていそうな気がして、そんな神秘的な雰囲気がとても好きでした。

 私は、いまもその頃とほぼ同じ場所に住んでいます。3〜4キロは離れていますが、近くに山や海などがあるわけではなく、気象条件はほとんど同じだと思われます。それにもかかわらずここ最近、霧の発生する日が極端に少なくなっているような気がして、実はずっと不満に思っていました。今年に入ってからは、ほとんど霧のかかる日がなかったため、今朝、窓を開けるまでは不覚にも、不満に思っていたこと自体を忘れてしまっていたほどです。

 考えてみれば、この霧に限らず、こどもの頃にはごく当たり前だった気象現象が、最近あまり見られなくなっているような気がします。私の住む千葉県市川市で言えば、霧のほかに霜柱や水たまりの氷を見かけなくなりました。霜柱を踏んづけると出る、ギュッという音を聞いたり、水たまりの氷を割って厚さを確認したりすることを、私ばかりではなくこどもはみんな楽しんでいたというのに……。

 ここ数年は、夏に異常な暑さを記録するようになり、集中豪雨による被害も各地で頻発するようになってきています。それが何を意味するのか、専門家ではない私にはわかりません。もしかすると一部の人たちが言うように、人間活動とはまったく無関係な要因による異常気象なのかもしれません。

 でも私は、人間が石油などの化石燃料の消費を減らせば、昔のように濃霧の日が多くなったり、夏の異常な暑さが緩和されたり、集中豪雨による被害が減る可能性が少しでもあるのなら、そのために努力をすべきであると考えています。10年後くらいに、「人間活動と異常気象は、まったく無関係であることが判明しました」という結論が出て、「意味もなくがんばったお馬鹿な省エネ信奉者たち」なんて馬鹿にされてもいいじゃないですか。

 いまの世の中、口ばっかり達者で何もしようとしない人たちによって、ずいぶんいろいろな被害が発生していることに、そろそろみんなが気づくべきだと思います。

2007年5月8日(火)